[映画]武士の一分

もともと時代劇が好きなワタシを、この映画に誘うアタリ、両親はツボを心得ています(笑)
藤沢周平にはチョット思いいれもありまして…何作か読んだこともあるのですが、大学でワタシが師事していた教授が藤沢周平と故郷が同じで、その教授が藤沢と何かと繋がりがあって、色々話を聞いていたのもあるのですが、今までの映画はあまり観ていないんです。テレビの時代劇はかなり観てるんですけどね(笑)というのも、テレビで放送になったものは、深い慈愛にあふれたものでありつつも痛快な話が多かったので、多少自分のなかでのイメージが違っても楽しめたのです。でも映画になっているものは、淡々としていて辛いテーマが多かったので、なかなか観てみようという気になれなかったのですが、これはいい機会だとばかりに行ってきました。
正直なところ、予想を遥かに超える出来栄えでした。監督の演出や、脚色も素晴らしく、全体に流れる藤沢文学の雰囲気が何とも気持ちよかったです。それに、キャストが素晴らしかったです。木村拓哉はどうなんだろうと思ってたのですが、美しい武者姿といい、キレイな太刀さばきといい、見えているときの内気そうな微笑といい、見えなくなって周囲の変化に敏感になる演技といい、とにかく良かったです。あんまり好きではなかったのですが、すっかり目がハートになってしまいました(笑)木村拓哉はおいといて、奥さん役の壇れいが、とっても可愛らしく、主人を思うあまり身を落としていく苦悩が見事に演じられていて…その他のキャストも、ときに笑いを誘い、涙を誘い、素晴らしかったです。
平日だというのに(水曜だからかな?)映画館は満席でした。年配の方が多かったのですが、コミカルなところでは映画館全体にクスクスという笑いがあふれ、泣けるところでは大いに涙するという一体感が感じられました。ラストシーンでは、もうオチが予想できるので、オチに入る前からススリ泣きが…もちろんワタシも泣いてましたが(汗)
山形の方が聞くと変な方言になってるのかもしれませんが、ワタシにはとっても心地よく山形弁が響きました。とっても優しい気持ちになれる映画でした。