堺文化財特別公開

takanee2008-11-01

「おいでよ堺21」というプロジェクトがありまして、10月31日から11月9日までの期間、「堺文化財特別公開」というのをやってます。普段は見られないお寺のお庭や茶室、その他いろんな文化財を見ることができるので、ダンナとお散歩がてら出掛けました。

まずは、「開口(あぐち)神社」にお参りしました。
歴史は神功皇后まで遡るので驚きです。天平年間には行基が念仏寺を建立したことから、堺では「大寺(おおてら)さん」と呼ばれています。・・・神社なんですけどね;
堺名物のひとつである「大寺餅」(赤福のようなお餅で、与謝野晶子の好物として知られています。上方落語にも出てくる銘菓なんですよ)は、350年に渡ってこの神社の境内で売られてたそうです。今は少し離れた場所にお店があるので、「なんで大寺さんで売ってないんだろう?」って思ってたのですが、堺大空襲の際に境内のお店が焼けて移転したのだそうです。
その大寺餅が、なんと境内で売られていました。60余年ぶりの復活だったそうです・・・が、この情報は翌日の新聞で知り、
「しまったー;そんなことなら、境内で大寺餅を食べるんだったー」
と悔しい思いをしました。大寺餅の屋台を横目に見つつ、特別公開の茶室に入ってしまったからです。
武野紹鴎ごのみのつくりの茶室・・・と言われましたが、いまいちよくわかりませんでした(笑)やっぱり戦災で焼けて復元されたものだそうです。お茶室というのは、入り口が小さいものだと思っていたのですが、ここのは「にじり口」というには、随分大きくてビックリしました。

次は「少林寺」。
ここはまたお寺なのに稲荷信仰という変り種です。「釣狐」という狂言の基になった伝説の残るお寺です。竹藪泣いていたで3匹の白狐を救った住僧に、狐たちが恩返しをするハートウォーミングな伝説です。こちらのお稲荷さんは、巻物をくわえた白狐ではなく、頭巾をかぶって法衣をまとい数珠と竹杖を持った立ち姿で、妙に色っぽいです。
現在のご住職さんが面白い方らしく、今度の法話会には参加させてもらいたいなぁと考え中です。

そしてメインイベントは「南宗寺」です。
堺の豪族の三好一族が建てた寺として有名です。徳川家康の墓があって、「家康は大阪夏の陣のときに、堺で亡くなった」という伝説が残っています。
千利休の手水鉢やら紹鴎供養塔やら、本堂の見事な枯山水など見る物も多くありますが、圧巻なのは仏殿の天井に描かれた「八方睨みの龍」でしょう。読んで字の如く、どこから見上げても自分をにらまれてるように見える龍の天井画です。私は「八方睨みの龍」が大好きで、いろんなお寺のを見に行ってるのですが、一番身近にいる龍を見る機会がなかったので、この機会に絶対見たかったのです。実に見事な墨絵で、雲とともに舞い降りてくるような迫力のある龍でした。

どこかで休憩しようということになり、協賛ホテルでお抹茶を頂くことに。ダンナに「お抹茶なんて」って言われるかなと思ってたのですが、快諾して頂きまして、久しぶりのお茶。抹茶のお菓子が好きなだけあって「おいしい」とゴクゴク飲んでました(笑)
お菓子は小島屋の芥子餅でした。芥子餅も堺の銘菓ですが、実は「小島屋」さんと「本家小嶋」さんがあります。長唄のお師匠さんが「どっちかの方が美味しいねん!」とおっしゃってたので、ずっと確認したかったのです。パンフレットを持っていくと割引サービスがあるので、両方買って帰って食べ比べてみようと言ってたのですが、ここで「小島屋」さんのは頂いたので、買って帰るのは「本家小嶋」さんだけにすることに・・・
え〜、結果はというと、よくわかりません(汗)たぶん、左右に持って食べないと味の違いはわかりませんでも、お餅と餡の比率が違って、小島屋さんのはモッチリした感じ。本家小嶋さんのは、餡がたっぷりで甘めな感じです。甘めと言っても、芥子がたっぷりついてるので、そんなにベタ甘にはならないので、結局のところ個人の好みで、どっちの方がおいしいかとか、そういう話ではなさそうです(笑)
小島屋さんは江戸時代の創業ですが、本家小嶋さんは関が原の合戦以前から4世紀に渡って利休が愛したといわれる伝統を守っている老舗中の老舗。本店に足を運んだところ、16時の時点で閉店されてました・・・確かに「無くなり次第閉店」って書かれてますけど、こんなときくらい多めに作ろうよ〜と、あまりの商売っけのなさに呆れてしまいました(笑)別の委託販売所にはたくさん売られてましたけどね;